日本電力調達ソリューション代表の高橋優人です。
こちらでは、私がお客様とやりとりさせていただく中で気づいたこと、ニュース記事を見て学んだこと等をリアルタイムで発信しています。
読んでくださる方にとって、有益な情報になっていれば幸いです。
2026年度の電気料金見積をめぐり、注意すべき動きが出てきています。
2026年1月14日、電力・ガス取引監視等委員会(経済産業省)より、「格安をうたう電気料金プランのWeb広告」や「契約締結前の説明義務の不十分な事例」について、正式な注意喚起が公表されました。
内容を一言で言うと、
「安く見えるが、実際は高額になるプラン表示が増えている」
というものです。


本来、電気料金は前提条件によって大きく変わります。
しかし、その重要な前提が十分に説明されていないまま契約が進み、契約後に“想定より大幅に高額になった”という相談が多数発生している、と指摘されています。
表示の「見せ方」で、電気料金は簡単に安く見える
今回の注意喚起で問題視されているのは、主に以下のようなケースです。
・「○円まで電気代が安い」など一部条件だけを強調した広告表示
・電力料金単価や条件が分かりにくい場所にしか記載されていない、または十分に説明されていない
これらは主に家庭向けの事例として公表されていますが、
高圧・特別高圧(法人向け)でも、同様の構造は頻繁に見られます。
制度や前提条件を正しく理解していないと、
「見積書上は安く見える」
という状態は、いくらでも作れてしまうのが現実です。
【注意点①】燃料費等調整付プランの場合
まず注意したいのが、燃料費等調整付プランです。
よくあるケース
一見すると「2025年度約款」を前提にしているように見えるが、
実際には2026年度約款が適用されている
約款年度が変わると、燃料費調整額の前提そのものが変わります。
結果として、「想定していた料金」と「実際の請求額」が乖離する、という事態が起こり得ます。
【注意点②】市場連動プランの場合
市場連動プランでは、さらに注意が必要です。
① 容量拠出金の年度が違う
2026年度の見積であるにも関わらず、容量拠出金が2025年度の数値のまま
制度上、2026年度の容量拠出金は2025年度より上昇しています。
したがって、
25年度水準のままで見積を作ること自体が、現実的には成立しません。
※なお、容量拠出金には力率割引が適用されないケースがほとんどです。
② 市場価格の前提が低すぎる
市場連動プランは、「市場価格をいくらで置くか」**によって、結果が大きく変わります。
過度に低い市場価格を前提にすると、当然、見積金額は安く見えます。
③ 比較元の電気料金が高く設定されている
比較対象となる「現行電気料金」の燃料費等調整額を高めに設定することで、削減額が大きく見えるケースもあります。
市場連動で本当に見るべき2つのポイント
市場連動プランで、会社ごとの差が出やすいポイントは、実は限られています。
容量拠出金
管理費(手数料)
一方で、
・JEPX市場価格
・託送基本料金
・託送従量料金
・損失率
・税
これらは、基本的にどの会社も同じです。
(※稀に特殊な計算を行う会社もあります)
金額ではなく「前提条件」を見ることが重要
出てきた見積の合計金額の大小だけで判断すると、本質を見誤る可能性があります。
本当に確認すべきなのは、
・どの年度の制度を使っているのか
・どの前提条件で算出されているのか
・その前提は、現実的か
という点です。
「内訳を見る」ことが、最大のリスクヘッジになります。
電気の相談窓口という選択肢
弊社では、
他社見積の前提条件チェック
制度に沿った妥当性確認
市場連動・固定プランの比較整理
といった、ご相談も承っています。
「安いと思ったが、少し不安がある」
「前提条件がよく分からない」
そう感じた時点で、一度立ち止まることが重要です。
少しでも気になる点があれば、お気軽にご相談ください。