日本電力調達ソリューション代表の高橋優人です。
こちらでは、私がお客様とやりとりさせていただく中で気づいたこと、ニュース記事を見て学んだこと等をリアルタイムで発信しています。
読んでくださる方にとって、有益な情報になっていれば幸いです。
1月20日に容量拠出金が公開されました
2029年度(令和11年度)向けの容量市場メインオークション結果が公表されました。
28年度に引き続き、容量拠出金は高い水準となっています。
今回の結果で重要なのは、「高いか・安いか」ではなく、電気料金にどの程度影響してくるのかを具体的に把握することだと考えています。
目次
28年度に比べて、容量拠出金は増加しています
▼1月20日公開OCCTO資料
https://www.occto.or.jp/assets/news/capacity-market/260120_mainauction_youryouyakujokekka_kouhyou_jitsujukyu2029.pdf

▼過去の約定結果
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/seido_kento/pdf/099_03_03.pdf

過去の推移を振り返ると、容量拠出金は年々増加傾向にあります。
特に東京エリアでは、その影響が分かりやすく表れています。
東京エリアの容量拠出金の水準感
例えば、東京エリアの容量拠出金を
kWあたりの金額感で見ると、以下のような水準でした。
25年度:200〜250円/kW
26年度:280〜400円/kW
この時点でも、数年前と比べると、
容量拠出金が着実に上昇していることが分かります。
この流れから想定される今後の水準
これまでの推移を踏まえると、今後は以下のような水準が想定されます。
27年度(想定):650円/kW 前後
28年度(想定):1,100円/kW 前後
29年度(想定):1,150円/kW 前後
容量拠出金は、「いずれ影響が出るコスト」ではなく、
すでに基本料金並みの存在感を持ち始めていると言えます。
託送基本料金と並べると、より実感しやすくなります
東京電力エリアの高圧における託送基本料金は、
約653.87円/kW
となっています。
これを29年度想定の容量拠出金と並べると、
託送基本料金:約650円/kW
容量拠出金:約1,150円/kW
合計で、約1,800円/kWとなります。
この水準になると、容量拠出金は「付加的なコスト」というよりも、実質的な基本料金の一部と捉えた方が分かりやすいかもしれません。
容量拠出金には、力率割引が効きにくい点にも注意が必要です
もう一つ、注意しておきたい点があります。
託送基本料金:力率割引が適用されます
容量拠出金:力率割引が適用されないケースがほとんどです
同じkW課金であっても、容量拠出金は調整の余地が小さいコストと言えます。
27年度以降、誰に影響が出やすいのか
特に影響を受けやすいのは、
・市場調達の割合が多い電力会社
・お客様の離脱が多い電力会社
※例えば、29年度の容量拠出金は、28年度の供給実績により、小売電気事業者に請求されます。そのため、28年度供給していたお客様が解約になった場合、29年度はそのお客様分も負担する必要があります。
こうした事業者を中心に、27年度以降、容量拠出金が電気料金に反映されやすくなると考えられます。
現在の契約では見えにくくても、契約更新のタイミングで効いてくる可能性があります。
だからこそ、ここまで見通しておくことが重要です
容量拠出金は、
目立ちにくい
分かりにくい
しかし、確実に積み上がる
という特徴を持ったコストです。
特に東京エリアでは、
基本料金+容量拠出金で約1,800円/kWという前提が、
現実的な水準になりつつあります。
目先の単価だけでなく、数年先までを見据えた電気料金の設計や予算化を行うことが、
これまで以上に重要になってきていると感じています。


















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