日本電力調達ソリューション代表の高橋優人です。
こちらでは、私がお客様とやりとりさせていただく中で気づいたこと、ニュース記事を見て学んだこと等をリアルタイムで発信しています。
読んでくださる方にとって、有益な情報になっていれば幸いです。
足元のエネルギー市場について、情報共有をさせていただきます。
これまでとは異なる重要な変化が見られております。
市場の前提が変化しています(輸送リスク → 供給リスク)
これまで市場は、ホルムズ海峡の通航制約など「輸送リスク」を中心に織り込んでいました。
(生産能力はあるため、ホルムズ海峡を通航できるようになれば、価格は落ち着くとの見方でした)
しかし足元では、カタールにおけるLNG設備の損傷等を受けて、エネルギーの「供給能力そのものの毀損リスク」を織り込み始めています。
これは、単なる一時的な物流の問題ではなく、供給そのものに影響が及ぶ可能性を市場が意識し始めたことを意味します。
カタールLNG設備の影響について
今回の中心材料となっているのは、カタールのLas Laffan(ラス・ラファン)にあるLNG関連設備です。
同地域は世界最大級のLNG輸出拠点であり、日本を含むアジア市場にとっても重要な供給源となっています。
参考記事
①カタール「LNG輸出17%停止」 修復に5年、欧州・アジアに影響 – 日本経済新聞
②世界最大のLNG輸出施設、修理完了まで最長5年-イランの攻撃で被害 – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-20/-lng-5
修復までに、多くの時間を要する可能性もあると言われています。
▼LNG価格と電力価格(指数比較)

日本の電力価格は、LNG価格に影響を受ける傾向にあります。
電力先物価格の動向(長期化の織り込み)
電力先物価格についても大きな変化が見られています。
これまでは半年程度で価格が落ち着くとの見方もありましたが、現在は1年以上にわたり20円/kWh前後の水準が継続する形で形成されています。
これは市場が
「短期的な収束ではなく、中長期的な価格高止まり」
を前提に織り込み始めていることを示しています。
▼TOCOM東エリアベースロード電力先物価格(3月25日時点)
26年4月以降は、20~22円前後の水準となっています。

▼東京エリアJEPX価格とTOCOM東エリアベースロード電力先物価格

直近のJEPX実績と先物価格を比較すると、2倍近い水準となっています。
契約環境への影響
こうした変化を受けて、契約環境にも影響が出始めています。
・電力会社の新規受付停止
・受入枠の制限
など、「価格」だけでなく「契約できるかどうか」という観点も重要な要素となりつつあります。
今後の考え方
現時点では、日本全体として直ちに電力不足に陥る状況ではありません。
一方で、市場が中長期のリスクを織り込み始めています。
このことを踏まえると、電力価格については一定期間高い水準が続く可能性を前提に検討しておく必要があります。
そのため、
・現在の契約内容の確認
・市場連動型か固定型かの整理
・価格変動リスクの把握
などを今のうちに確認されておくことをおすすめいたします。
まとめ
ここまでの状況を踏まえると、今後の電気料金については、一定の上昇は避けられない可能性が高くなってきました。
そのため、電力契約の内容や予算計画についても、現在の市場環境を踏まえ、確認・見直しを行っておくことをおすすめいたします。
弊社では、電力契約の内容確認や見直しのご相談も受け付けております。
ご不明点等ございましたら、お気軽にご連絡ください。
引き続き状況を注視し、変化があれば随時ご案内いたします。

代表取締役社長 高橋 優人
新卒で九州電力に入社し、約7年間在籍。在籍時は、電力の法人営業、ガスの個人営業等に従事。その後、エネルギーベンチャー企業を経て、日本電力調達ソリューションに参画。2024年9月に代表取締役社長に就任。















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