再エネ賦課金の今後の見通し|2026年度単価と市場価格の影響

本コラムは、弊社取締役の上野が執筆をしております。

再エネ賦課金の「今後どうなるのか」「2026年度はいくらか」は、電気料金を考える上で重要な関心事項です。

2026年3月19日、経済産業省より2026年度の再エネ賦課金単価(4.18円/kWh)が公表されました。
(出典:経産省プレスリリース)
本稿では、再エネ賦課金の基本構造とともに、今後の見通しを市場価格の観点から整理します。

再エネ賦課金の基本構造

再エネ賦課金は、シンプルに言えば以下の構造で決まります。まずはその基本構造を整理します。
・再エネ調達コスト(認定単価ベースの調達コスト)
・市場価格(JEPX等)
この2つの関係は、
・再エネ調達コスト → 賦課金を押し上げる
・市場価格 → 上昇すると賦課金を押し下げる
という「綱引き構造」となっています。

足元の状況(2026年度)


今回の2026年度単価は4.18円/kWhとなりました。
制度的には、
・買取費用等:約4.85兆円
・回避可能費用等:約1.65兆円
・販売電力量:約7,665億kWh
といった構造から算定されています。

重要なポイントの一つは、
回避可能費用(=市場価格連動部分)が賦課金を押し下げる方向に働いている点です。

再エネ賦課金の今後の見通し

実績を見ると、再エネ賦課金は導入拡大とともに上昇してきました。
一方で今後は、
・初期FIT(高単価)の満了
・新規導入単価の低下
により、一定のピークアウト後に低下していく構造が見込まれます。

市場価格の影響(シナリオ比較)

ここで重要なのが、市場価格の前提です。
2025年度平均の市場価格を前提とした場合と、+30%の上振れケースを比較すると、再エネ賦課金の水準は大きく変わります。
これは構造的に必然で、市場価格が上昇するほど、再エネ調達コストとの差分が縮小するためです。

足元のリスク:市場価格の上昇

2026年2~3月にかけては、中東情勢の悪化を背景に、燃料価格および電力市場価格に上昇圧力が見られています。
この動きが継続した場合、
・短期的には賦課金の低下要因
・ただし電気料金全体では上昇要因
となる可能性があります。

まとめ

本稿のポイントは以下の通りです。
・再エネ賦課金は「制度」ではなく「市場と連動する指標」
・中長期では構造的に低下圧力がある
・ただし水準は市場価格に大きく依存する

おわりに

再エネ賦課金は、需要家の電力コストや再エネ調達戦略に直結する重要な要素です。
市場価格や制度前提によって将来水準が大きく変動し得るため、こうした前提を置いた中長期のシナリオ分析が有効となります。
なお、当社でも電力市場価格や制度条件を踏まえた再エネ賦課金の中長期試算を行っており、個別の前提に応じた分析にも対応可能です。

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