中東情勢関連 国内LNG在庫、調達ルート等 2026年3月5日9時時点

日本電力調達ソリューション代表の高橋優人です。
こちらでは、私がお客様とやりとりさせていただく中で気づいたこと、ニュース記事を見て学んだこと等をリアルタイムで発信しています。
読んでくださる方にとって、有益な情報になっていれば幸いです。

ホルムズ海峡の通航リスクの高まりや、カタールのLNG生産停止などが報じられ、エネルギー市場では緊張状態が続いています。

特にアジア向けLNGスポット価格(JKM)は一時大きく上昇しており、市場では供給不安が意識されています。

2022年ロシア・ウクライナ危機との違い

今回の状況を考えるうえで、2022年のロシア・ウクライナ危機との違いを整理することも重要だと考えています。

当時は

・コロナ禍からの経済回復により世界的にエネルギー需要が急増
・冬の需要期と重なり、電力需給がすでに逼迫し始めていた
・欧州向けロシアのパイプラインガス供給が長期的に停止

という状況が重なり、実際にエネルギー供給そのものが不足する局面となりました。

一方で、今回の状況は

・価格上昇の中心はスポット市場
・電力需要期ではない
・日本国内には一定のLNG在庫がある
・日本のLNG調達ルートは分散している(オーストラリア、ロシア、マレーシア等)

など、現時点では実需の不足が顕在化している状況とは言えません。

ただし、中東地域のエネルギー会社による「不可抗力(Force Majeure)」宣言が増えている点や、ホルムズ海峡の通航リスクなど、物流面の不確実性には引き続き注意が必要です。

(参考)
画像タイトル「大手電力の発電用 LNG 月末在庫推移と最新の週末在庫」

足元の発電用LNG在庫は219万トンと、過去平均(約200万トン)と比べても大きな不足はなく、需給は概ね平年並みの水準にあると言えます。

出典: 経済産業省
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electricity_measures/pdf/denryoku_LNG_stock.pdf

画像タイトル「日本のLNG輸入先・量」

日本のLNG調達は、原油に比べると調達先の多角化が進んでおり、中東依存度は1割強です。

豪州(約4割)や東南アジアが中心であり、実需面で直ちに供給が途絶する構造ではありません。

出典: 経済産業省
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/jisedai_kiban/system_design_wg/pdf/005_03_00.pdf

現時点の整理

現状は
「エネルギー市場の緊張状態」
ではありますが、
「供給不足による危機的状況」
とまでは言えません。

今後の情勢次第では状況が変わる可能性もあるため、引き続き市場動向を注視し、変化があれば速やかにご報告いたします。

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