日本電力調達ソリューション代表の高橋優人です。
こちらでは、私がお客様とやりとりさせていただく中で気づいたこと、ニュース記事を見て学んだこと等をリアルタイムで発信しています。
読んでくださる方にとって、有益な情報になっていれば幸いです。
ホルムズ海峡の通航リスクの高まりや、カタールのLNG生産停止などが報じられ、エネルギー市場では緊張状態が続いています。
特にアジア向けLNGスポット価格(JKM)は一時大きく上昇しており、市場では供給不安が意識されています。
2022年ロシア・ウクライナ危機との違い
今回の状況を考えるうえで、2022年のロシア・ウクライナ危機との違いを整理することも重要だと考えています。
当時は
・コロナ禍からの経済回復により世界的にエネルギー需要が急増
・冬の需要期と重なり、電力需給がすでに逼迫し始めていた
・欧州向けロシアのパイプラインガス供給が長期的に停止
という状況が重なり、実際にエネルギー供給そのものが不足する局面となりました。
一方で、今回の状況は
・価格上昇の中心はスポット市場
・電力需要期ではない
・日本国内には一定のLNG在庫がある
・日本のLNG調達ルートは分散している(オーストラリア、ロシア、マレーシア等)
など、現時点では実需の不足が顕在化している状況とは言えません。
ただし、中東地域のエネルギー会社による「不可抗力(Force Majeure)」宣言が増えている点や、ホルムズ海峡の通航リスクなど、物流面の不確実性には引き続き注意が必要です。
(参考)
画像タイトル「大手電力の発電用 LNG 月末在庫推移と最新の週末在庫」


足元の発電用LNG在庫は219万トンと、過去平均(約200万トン)と比べても大きな不足はなく、需給は概ね平年並みの水準にあると言えます。
画像タイトル「日本のLNG輸入先・量」

日本のLNG調達は、原油に比べると調達先の多角化が進んでおり、中東依存度は1割強です。
豪州(約4割)や東南アジアが中心であり、実需面で直ちに供給が途絶する構造ではありません。
現時点の整理
現状は
「エネルギー市場の緊張状態」
ではありますが、
「供給不足による危機的状況」
とまでは言えません。
今後の情勢次第では状況が変わる可能性もあるため、引き続き市場動向を注視し、変化があれば速やかにご報告いたします。

代表取締役社長
高橋 優人
新卒で九州電力に入社し、約7年間在籍。在籍時は、電力の法人営業、ガスの個人営業等に従事。その後、エネルギーベンチャー企業を経て、日本電力調達ソリューションに参画。2024年9月に代表取締役社長に就任。













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