2026年度東電EP料金改定を読む ― 静かに進む料金構造の変化

日本電力調達ソリューション代表の高橋優人です。
こちらでは、私がお客様とやりとりさせていただく中で気づいたこと、ニュース記事を見て学んだこと等をリアルタイムで発信しています。
読んでくださる方にとって、有益な情報になっていれば幸いです。

先週、東京電力エナジーパートナーは2026年4月以降の特別高圧・高圧の新標準メニュー改定を発表しました。
▼2026年4月1日からの特別高圧・高圧の新標準メニューの見直し内容について(東京電力エナジーパートナー)
https://www.tepco.co.jp/ep/corporate/plan_h/minaoshi_2026.html

弊社では2025年10月以降、この動きを継続的に分析してきました。
実際、以前公開した記事は3か月で約5,000閲覧。それだけ企業の関心が高いテーマです。

▼26年度東京電力EP料金改定がもたらす衝撃 ── “旧標準メニュー終了”で企業の電気代はどこまで上がるのか
https://jepsolution.jp/2025/11/16/26%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e9%9b%bb%e5%8a%9bep%e6%96%99%e9%87%91%e6%94%b9%e5%ae%9a%e3%81%8c%e3%82%82%e3%81%9f%e3%82%89%e3%81%99%e8%a1%9d%e6%92%83-%e2%94%80%e2%94%80-%e6%97%a7/
今回は、その続報として今回改定の“本質”を整理します。

用語整理

旧標準メニュー:
業務用電力、業務用季時別電力、高圧電力、特別高圧電力A、特別高圧電力B 等
→2026年度末で完全廃止

新標準メニュー:
ベーシックプラン、市場調整ゼロプラン、市場価格連動プランの3種類
→2026年4月以降、全契約がこの枠組みへ統一されます。

時系列整理

2024年4月:新標準メニュー開始
2024年9月:2025年度の新標準メニューの刷新、
および、2026年度末で旧標準メニューの廃止を発表
2025年5月:2026年度の新標準メニューのリバランスを検討と報道
2026年2月:2026年度の新標準メニューの改定を発表
2026年4月:2025年度に比べ、基本料金は引き下げ、従量料金は引き上げ、燃料費等調整額は算定諸元の見直しが行われる

この中でも、本当のポイントは、燃料費等調整の“基準価格”変更です。

燃料費調整の仕組み

燃料費調整額は、
LNG・石炭・原油などの燃料価格の変動を料金に反映させる制度です。

仕組みは非常にシンプルです。

平均燃料価格が基準価格を上回る → プラス調整(値上げ)
平均燃料価格が基準価格を下回る → マイナス調整(値下げ)

つまり、基準価格=ゼロラインです。

今回何が変わったのか?

東電EPは今回、
・基準燃料価格を引き下げ(見直し前:49,800円、見直し後:35,600円)
・換算係数を見直し

を実施しました。
これは何を意味するか。
→同じ燃料市況水準でも、プラス調整になりやすくなる

ということです。
これまで「±ゼロ付近」だった燃料価格水準が、今後は「値上げ側」に寄りやすくなります。
例)これまでは、平均燃料価格が49,800円を超えると、燃調が+になっていたのが、今後は35,600円を超えると、+になります。
実際には、原油、LNGに比べ、価格が低い石炭の比率が増えています。そのため、東電EPが使用する平均燃料価格も下がることが考えられます、しかし、いずれにしても基準値が下がったことによる影響は、無視できないと思われます。

燃料費調整

市場調整

お客様への影響は

25年度新標準メニュー → 26年度新標準メニュー
→ 影響は比較的軽微
旧標準メニュー → 新標準メニューへ移行
→ 増額影響あり

特に

低負荷率
中負荷率
産業用季時別メニュー利用

のお客様は注意が必要です。

燃料価格・市場価格が25年度と同水準だった場合でも、
6〜10%程度の増額可能性
は想定しておいた方がよいでしょう。

ここから企業が考えるべきこと
✔ 自社の負荷率は?
✔ 季時別単価の影響は?
✔ 市場調整の影響幅は?
✔ 旧標準からの差分は?

単純な「単価比較」ではなく、構造理解が必要な時代に入りました。

まとめ

今回の改定は、単なる単価の上下ではなく、「ゼロラインの移動」です。

これは企業にとって、静かに効いてくる改定です。
だからこそ、今のうちに自社の影響試算を行うことが重要です。

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