日本電力調達ソリューション代表の高橋優人です。
こちらでは、私がお客様とやりとりさせていただく中で気づいたこと、ニュース記事を見て学んだこと等をリアルタイムで発信しています。
読んでくださる方にとって、有益な情報になっていれば幸いです。
よくお客様に「市場価格が今後どうなるのか」や「これまでどういった動きだったのか」ということを聞かれます。
電力の市場価格は日本卸電力取引所(JEPX)で見ることができますが、普段から触れていないと膨大なデータ量に翻弄されてしまうかと思います。
今回は2020年まで遡ってデータをまとめ、過去の高騰時にどんなことが起きたのか、解説していきます。
目次
東京エリアの価格推移(2020–2025)
※以下は東京エリアスポット市場の価格をまとめた推移イメージ(目安)です。

https://www.jepx.jp/
年 東京エリア 平均スポット価格(円/kWh)
2020 約11円
2021 約15〜16円
2022 約20〜22円
2023 約10〜11円
2024 約12〜13円
2025 約12〜13円
この6年間を振り返ると、2020年以前は年間平均で10円/kWh程度だったのが、2021年以降に大きな変動が生じているのが特徴です。
2021年大寒波時の価格高騰
2021年1月、日本は記録的な寒波に見舞われ、電力需要が急増する一方で、LNG(液化天然ガス)在庫不足や供給ひっ迫が同時に発生しました。その結果、JEPXスポット市場では通常の10円台前後から 時間帯によっては250円/kWhを超える史上最高値に達する価格急騰 が起きました。これは需給バランスが崩れ、売りオファーが急減したことが主因とされています。
このような急激な価格上昇は、単に電気料金のコスト増だけでなく、小売電気事業者(PPS)にとって調達コスト管理の大きな課題ともなりました。
電力会社にとっては、売れば売るほど赤字になってしまう状況であり、結果として事業撤退や倒産が相次いで起きました。
それまで進んでいた自由化が足を止めてしまう、非常に印象的な時期です。
ウクライナ侵攻による影響
2021年の寒波による高騰の影響がようやく収まってきたかに見えましたが、その後またしても大きな打撃を受ける出来事が起きます。
2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発すると、国際エネルギー市場に大きな混乱が生じました。特にLNGや石炭など火力発電用燃料価格が世界的に高騰したことで、日本の電力市場価格にも波及し、2022年は東京エリアの年間平均価格が大きく上昇 したと考えられています。
この時期は、燃料価格上昇によりスポット市場の平均価格が20円/kWh以上になるなど、供給・価格面で厳しい局面となりました。
高騰は夏前に一旦落ち着きを取り戻すも、結果として2022年は1年を通して大きく高止まりする格好でした。
ベネズエラ軍事作戦による影響
直近では、アメリカのベネズエラ軍事作戦による市場価格への影響が不安視されていましたが、記事執筆時点では大きな影響は見られません。
ただ、この作戦の結果トランプ大統領は「アメリカ企業がベネズエラの石油産業に「非常に強力に関与する」ことになるだろう」と述べており、
世界のエネルギー市場や、日本の電力市場へ少なからず影響を与える可能性はあるかと思います。
その他の市場価格変動要因
世界情勢はもちろんですが、電力市場は日本国内の需給バランスの影響も大きく受けます。
特に以下記事でも触れている通り、来夏は国内電力需給が逼迫する可能性が非常に高いです。
このような事態に備え、契約プランを見直す、市場比率の低い契約を選択する等、対策が必要です。
「2026年夏、東京エリアの電力需給が逼迫 ―経産省資料で明らかに―」
https://jepsolution.jp/2025/11/01/2026%e5%b9%b4%e5%a4%8f%e3%80%81%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e3%82%a8%e3%83%aa%e3%82%a2%e3%81%ae%e9%9b%bb%e5%8a%9b%e9%9c%80%e7%b5%a6%e3%81%8c%e9%80%bc%e8%bf%ab%e3%80%80%e2%80%95%e7%b5%8c%e7%94%a3%e7%9c%81/
まとめ:市場の分析と見通し
冒頭でも触れましたが、このようなデータは普段から意識して触れていないと中々入って来にくい情報です。
こういった情報をキャッチアップし、市場に翻弄されない、損をしないことを常に考える必要があると思います。
尚、弊社がご契約中のお客様にお出ししている毎月のレポートでは、このような市場の動きについてもスポットを当ててご報告しています。
少しでもご興味があれば、お気軽にお問合せください。
















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