代表の高橋です。
こちらでは、私がお客様とやりとりさせていただく中で気づいたこと、ニュース記事を見て学んだこと等をリアルタイムで発信しています。
そのため、私の主観が入っておりますこと、ご容赦ください。読んでくださる方にとって、有益な情報になっていれば幸いです。
市場連動は、調達価格に運営費(販管費等)を加算して、お客様に請求を行うことが多いです。原価に一定の手数料を乗せていることを考えると、あまり赤字にならないように見えます。お客様の中にも「市場連動価格の増減による影響は需要家が追うので、電力会社は赤字にならず、倒産や撤退のリスクはない」と考えられる方もいらっしゃいます。
たしかに損益計算書上は、そうかもしれません。しかし、これには見落としている点があります。キャッシュフローです。実は電力事業は、運転資金がかなりかかります。
日本卸電力取引所でスポット取引を行う場合、「取引日の2金融機関営業日後」に支払いをする必要があります。それに対してお客様からの回収は、翌月の月末頃であることが多いです。
例えば、4月1日〜4月30日までの電力使用があったとします。
電力会社→日本卸電力取引所には、常に2金融機関営業日への支払いが発生します。
お客様→電力会社には、5月末頃支払いが行われます。
仮に4月1日〜4月30日に市場が大幅な高騰をした場合、電力会社は、お客様からの料金回収の前に、高騰した電気代を日本卸電力取引所に支払う必要があるのです。運転資金が1-2ヶ月分ぐらいは必要になるのではないでしょうか。
このことから、市場連動を提供する電力会社には、黒字倒産の可能性があります。
市場連動プランは、電源を持たなくても電力供給ができるという特徴があり、新規参入障壁はそこまで高くないかもしれません。ただし、十分に運転資金がないと、黒字倒産してしまうことも考えられます。
市場連動プランをお使いのお客様は、電力会社の運転資金も確認してみると良いかもしれませんね。
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